僕が影響を受けた本を中心に紹介いたします。
柴田直光『奇術 種あかし』
理工図書株式会社発行で、初版は昭和26年。
柴田氏は、応用数学の権威であり土木工学の専門家でもあった。
本の構成は半分がカードマジック、残り半分をロープ、ボール、コイン、ダイス、食卓で行なうマジックの解説が占めている。この本は今でもマジックの名著として名高い。
奇術の種あかしについては、其の界では異論があるかもしれない。
マジシャンは種を明かしてはいけない。法で縛れるものではないが、マジック界の暗黙の掟のようなものがある。
日本には、奇術を演じるときの心構えを示す格言として、アメリカのマジシャンのハワード・サーストンの言葉を借りたサーストンの三原則がある。
① 披露する前に現象を説明してはいけない
② 繰り返してはいけない
③ 種明かしをしてはいけない
この3つだが、ただ何度も同じ現象を繰り返して見せることにより不思議さを増すという事実もあるので、必ずしもすべてが正しいというわけではなく、サーストンの三原則が日本以外の世界で一般的にもなっているわけではない。
マジシャンという存在はマジシャンのモラルで成り立っているのだが、種明かしがどこまで許されるかは明確な基準はない。そもそも、『奇術 種あかし』が、多くのマジシャンの愛読書であるとすると、種あかしも必ずしも悪いというわけではないのだろう。
ところで、マジックの語源は、古代ペルシアの祭司階級であるマゴスが、香木を火に捧げる祭儀や夢占・占星術を司っていたことから派生したギリシア語「Μαγείαマゲイア」に由来している。
もともとは、マゴスの技や知識を指す語であったが、のちに転化し、呪術、まじない、イカサマ、ペテンといった悪い意味でも使われるようにもなってきた。
ただし、マジック(魔術)という語が呪術と奇術という現在ふたつの意味をもっているのは、古代ペルシャの祭司たちが行った奇跡や魔術が今の奇術に相当することに由来する、という説もあるようだ。
日本奇術協会が定めた奇術の日12月3日は 奇術の掛け声の「ワン、ツー、スリー」に因んでいるが、コロナもこの頃までには完全終息してほしいものである。
参考:Wikipedia「奇術」
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