2020-01-01から1年間の記事一覧

クリスマス

クリスマス飾り付け

福澤諭吉の書簡

咸臨丸で渡米した乗組員で、のちに活躍する人物は多い。 木村摂津守喜毅、勝麟太郎、小野友五郎、松岡磐吉、赤松大三郎、肥田浜五郎、中濱万次郎、福澤諭吉などなど、名前を列挙するのに遑がない。 その中でも、明治時代にわたって活躍した勝麟太郎と福澤諭…

慶喜の大坂城脱出

鳥羽伏見の戦いの最中に、徳川慶喜が大坂城を脱出した。 このことを、月岡芳年や長谷川貞信が「徳川治蹟年間紀事 」のシリーズの錦絵のなかで描いている。よく知られた画題「十五代 徳川慶喜公」だが、二人の錦絵はよく似た構図になっている。 この錦絵は、…

山本寛斎さん

山本寛斎さんが7月21日に亡くなられた。 ご冥福をお祈りいたします。 寛斎さんには、以前2003年に、意外なところでお会いしました。 僕が幕末に興味を持ち始めたころ、京都で会合がありついでに近くの史跡を回ってきた時のことです。 西本願寺、島原(大門、…

隠れ家

コロナの影響もあり、自粛生活が多くなってきた。 そんな時は、ジーと家にこもるだけではなく、気晴らしも必要になる。 そこで、自宅の近くに隠れ家を用意し、食事と寝る時以外を過ごすことにした。 窓からの景色は遠くあべのハルカスも望め、パノラマの様な…

三吉慎蔵談話の要

ある調査をするのだけれど、この書を取っ掛かりに進めたいと思う。 中には何か所か、慎蔵の記憶違いか聞き手の聞き間違いかの箇所があるが、それも面白い。 三吉慎蔵時治氏談話ノ要 八月十三日豊浦毛利邸ヲ訪ヒ三重盛二氏ニ面談翌十四日ニ於テ林洋三氏ト會合…

彰義隊慰霊祭

今日は5月15日。 5・15事件の日だが、僕にとっては上野戦争の日。 以前、この日にあるお寺を訪ね、そのあと、お世話になった礼状を出させていただいた。 ――――――――――――――――― 先日午後、お参りをさせて頂いた者で正井と申します。その節は柵内にも入れさ…

ブックカバーチャレンジ 8日目

僕が影響を受けた本を中心に紹介いたします。 最後は、写真家ディーンズの回想録。写真が1000枚ほど収められている。 内容は以下のとおりで、アマゾンの商品説明に任せます。 ―――――――――――――――――――― 1985年のアンドレ・ド・ディーンズの死去以後、倉庫で眠っ…

ブックカバーチャレンジ 7日目

僕が影響を受けた本を中心に紹介いたします。 最後は、帆船海王丸での遠洋航海と、東海道19日間連続歩破の、各々の教材と案内書です。 紹介は1冊らしいのですが、海と陸それぞれ僕には同じ大冒険で参考にした書なので、両方を同時に紹介したいと思います。 …

ブックカバーチャレンジ 6日目

僕が影響を受けた本を中心に紹介いたします。 下関市立長府博物館『企画展 三吉慎蔵と坂本龍馬』 本というより図録ですが、まあ、一般図書ということで。 この題名の展示会が開催されたのが2001年なので、まだ在職中で経営企画室長に任命された頃だったと思…

ブックカバーチャレンジ 5日目

僕が影響を受けた本を中心に紹介いたします。 柴田直光『奇術 種あかし』 理工図書株式会社発行で、初版は昭和26年。 柴田氏は、応用数学の権威であり土木工学の専門家でもあった。 本の構成は半分がカードマジック、残り半分をロープ、ボール、コイン、ダ…

ブックカバーチャレンジ 4日目

僕が影響を受けた本を中心に紹介いたします。 田中美知太郎ほか『ギリシャ語入門』。 おそらくギリシャ語を学ぶのには非常によくできた本。 哲学に関心を深めていた2年生のときに、学生が4人ほどの文学部のギリシャ語教室に入った。最初の半年間の教材がこ…

ブックカバーチャレンジ 3日目

僕が影響を受けた本を中心に紹介いたします。 ディヴィッド・バーガミニ『天皇の陰謀』 衝撃的な書名にまず驚かされる。 著者は、日本に生まれ育ち、戦争中は漢口、上海、フィリッピンにいたが、第二次大戦後、日本語資料を収集しまたインタビューを駆使し、…

ブックカバーチャレンジ 2日目

僕が影響を受けた本を中心に紹介いたします。 林尹夫 『わがいのち月明に燃ゆ -1戦没学徒の手記』 確か、大学1年の時に初めて読み、愛読した本。 第三高等学校に入学してからの昭和15年4月6日より、京大入学、学徒徴兵を経て、19年7月14日に意識的に終え…

ブックカバーチャレンジ 1日目

読書文化普及に貢献する7日間ブックカバーチャレンジの依頼を頂きました。 僕が影響を受けた本を中心に7回に分けて紹介したいと思います。 最初は、 C.W.ツエーラム『神 墓 学者 -考古学の物語』 同じ著者の『狭い谷、黒い山 ーヒッタイト帝国の発見』、『…

三吉慎蔵の孫・梅子

今日は河島(旧姓三吉)梅子の祥月命日 昭和56年(1981)に86歳で亡くなっている。 『三吉慎蔵日記』の明治27年5月1日の条に、下関長府にて「トモ、女子出生」とある。 山口長府の江下で生まれている。 慎蔵の娘・トモは三吉家を分家し、乃木希典の幼馴染の桂…

帆船海王丸での航海

昨日4/7は、僕には特別な日だ。 もちろん小学校の入学式の日でもなく、緊急事態宣言の発令日でもない。ちょうど10年前の2010年の今日、北太平洋を渡る大冒険に出発した日なのだ。 この時僕は前日4/6に、東京湾の船の博物館の前に接岸していた帆船海王丸に乗…

史書を訪ねて 漂巽紀畧

今週の史書を訪ねては、幕末の日本人として稀有な体験をし、当時最先端の西洋を見聞してきた土佐の中濱万次郎(ジョン万次郎)の口述筆記、「漂巽紀畧」。 内容は、 ジョン万次郎らが天保12年(1841)に漂流してから、米国船に救助されて渡米、約11年後の嘉…

本能寺の「能」の字

大河ドラマ「麒麟がくる」第5回目放映で、早くも本能寺が登場した。 明智光秀の生年は不明なので今回のドラマの年代はややあやふやだが、舞台は天文17年秋(1548)としている。 本能寺は、 1415年に先祖になる桃井播磨守直常の曾孫・日隆が「本応寺」を創建し…

史書を訪ねて 大隈重信国会開設奏議

今週の史書を訪ねては、「大隈重信国会開設奏議」 「明治十四年の政変」の発端になった、明治14年3月の大隈による国会開設の意見書。 明治政府は、近代国家への移行を進める中で、反政府運動としての自由民権運動を警戒しつつも、他方で立憲政導入の問題につ…

霊山の墓

個人的に気がかりなことある。 幕末の志士がここに神葬祭で葬られたいと望んだ、京都霊山。 明治になってから整理され、山口関係は一つの区画に墓石が立ち並んでいる。 その中にL字型に整然と並ぶ一角がある。 L字型の中心に船越清蔵守愚の墓を据え、長州…

史書を訪ねて 続日本紀

今日の史書を訪ねては、「続日本紀」 古代国家が正史として編纂した六つの史書「六国史」のなかで、「日本書紀」に次ぐ2番目の史書。 藤原仲麻呂の発議で編纂され始めたが、記事ではこの「藤原仲麻呂の乱」について書いている。 僕の関心事は、なかでも巻第…

史書を訪ねて 日本誌

1年ほど前の「史書を訪ねて」は、ケンペルの『日本誌』だった。 記事は、『日本誌』の中身の紹介とともに、影響を受けたカントの『永久平和のために』や、幕末では熟読して来航したペリーにまで話が及んでいる。 ただ、この史書の成立については触れられてい…

史書を訪ねて 武市瑞山關係文書

昨日の読売の夕刊「史書を訪ねて」は、武市瑞山關係文書だった。 紙面の解説に、剣術修業に江戸に出向いたことが書かれているが、どこの道場かまでは記述がない。 武市が安政3年(1856)に土佐から岡田以蔵らを伴って江戸に出たときは、斎藤弥九郎の練兵館…

史書を訪ねて 復古記

先週の「史書を訪ねて」で、取り上げられていたのは『復古記』 『復古記』は慶應3年(1867)の大政奉還から戊辰戦争最後の箱館戦争終結までを扱う。各家の家記の抜粋などから同じ出来事を多角的に記述してはいる。 僕にとって興味深いのは、東叡山戦記と蝦夷…

史書を訪ねて 大内義隆記

昨年12月には、読売新聞夕刊の「史書を訪ねて」の記事にて、『大内義隆記』を取り上げていた。 なかなかに珍しい書物の紹介だと思う。 また年末には、新日本風土記で、西の京とも呼ばれる山口を取り上げていた。大内氏の故郷だ。 2年前の再放送だが、画面に…

ホテルニューグランド

先日1/4にTVで「新 美の巨人たち」を拝見した。 横浜の老舗ホテル「ホテルニューグランド本館」が取り上げられている。 ホテルニューグランドは、大正末期の本館の建設、昭和~平成のホテル経営、新館のタワー建設の各々の段階で各先祖縁者が関わったこと…

「京都ぶらり歴史探訪」寺田屋事件

BS朝日の「京都ぶらり歴史探訪」を拝見した。 一昨日1/7の放送は「歴史は冬に作られた!」で、様々な事件を取り上げていた。全体的には史実に基づいた内容が大半なのだが、寺田屋事件については疑問符がつく。 ま、主題は龍馬とお龍で、お龍が龍馬の命の恩…