朝ドラ「らんまん」と大久保家

「らんまん」をいつも楽しく拝見している。

先週は、東京大学助教授大窪昭三郎が自らの立場を明らかにし、今後の新しい展開が予想される場面があった。

昭三郎のモデルの大久保三郎は、元東京府知事大久保一翁の三男になるが、東京大学の助手になるにあたっては勝海舟の世話にもなった。
三郎の斡旋を依頼された海舟にとって、一翁は幕末時に海舟を抜擢した恩人であり、上司でもある。

「らんまん」に登場する大久保家は僕的には、
三吉慎蔵と河島由路との二人の高祖父と若干関わりもある。

三吉慎蔵は、薩長和解の見届け、京都政局及び薩摩藩内事情探索のために龍馬たちと上京したが、その途次の慶応2年正月18日夜に龍馬と共に大坂城代の大久保越中守(一翁)を宿舎に訪ねている。
越中守から、今は龍馬の探索が厳重で、また長州人が同行していることが幕吏に知られ、手配されていることを知らされる。当時朝敵とされた長州人とは三吉慎蔵のことだが、早々に当地から立ち退くのが良いと忠告され、慎蔵たちは武器を調達し速やかに京都を目指すことになる。

ところで、大久保家の菩提寺は、明暦の振袖火事で名高い本郷の本妙寺幕臣彰義隊に参加した河島家の菩提寺でもある。
上野戦争で戦死した河島由路は慶応4年5月に葬られ、大久保一翁は明治21年に墓石が建てられている。
明治43年に本妙寺が豊島区巣鴨に移転した時に、各々の墓は改葬されており、大久保三郎は巣鴨に移転後の大正3年に葬られることになる。