吉村昭の『史実を歩く』

吉村昭の『史実を歩く』を繙き、「日本最初の英語教師」と「桜田門外ノ変」余話を読んだ。 『史実を歩く』には、小説を執筆するにあたっての自身の綿密な調査についての記述がある。 知らないことが実に多く書かれている。 「日本最初の英語教師」には、ラナルド・アクドナルドの紹介があった。 彼から長崎で英語を習ったのはオランダ通詞の森山栄之助((多吉朗)だが、 マクドナルドから学んだ英語でもって、ペリー来航後の外交交渉で通訳を務め、オールコックを始め外国の外交官の信頼も集めた。 日本人に本格的な英語を教授したマクドナルドについて、吉村氏は別に「海の祭礼」という長編小説を書いているが、これが日本でのマクドナルド見直しのきっかけになったようだ。 英語を教授された森山栄之助の墓がある巣鴨本妙寺は、母方の高祖父で彰義隊に参加し黒門口で被弾し戦死した幕臣・河島由路の菩提寺でもある。 写真は、巣鴨本妙寺にある栄之助の墓。336406_202507833210299_1208332768_o.jpg桜田門外ノ変」には、桜田門外での乱闘から逃げ出した彦根藩士数人のその後に触れている。 藩邸に戻れば、なぜ藩主を守って闘わなかったと問い詰められ、必ず切腹を命じられる。それが恐ろしくて逃げてきた。 一人はのがれて寺男になって生涯を終えたという。 その寺が、川崎の向ヶ丘遊園の廣福寺。 向ヶ丘は私が生まれ育った場所であり、しかもこの寺には父方の祖父母の墓がある。 なにかこの『史実を歩く』を手にして、不思議な因縁を感じたのだった。 次に廣福寺に参った時は、彦根藩士が残した辞世の碑を見て拝見したいと思っている。 写真は、本妙寺の河島由路の墓。左の二人が由路夫妻336386_202643969863352_307080404_o.jpg 「 人気blogランキング 」  に参加しました。よろしければ押してくださいませ。
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