海王丸航海4日目 2010/04/10(土) 2回目のマスト登り

本日はヤード(帆桁)を一杯開きにしフルセール(満帆)で帆走した。最大15度の左舷傾斜。 船体傾斜はあったが、風力5程度にも拘わらず、船足は10ノット強を得ることができた。
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天気 曇り 正午時点では、 前日正午からの(直航進路055、距離180マイル、東京からの距離633、残航4124、 平均左舷8.33,右舷7.88ノット)、風向S/E、風力5、ヤード(帆桁)右舷開き、 天候本曇り、気温16.0、海水温度18.0、気圧1028.4、海面状態荒い 船の位置 北緯36度29分、東経150度22分 時刻改正15分(累計57分) 0515 起床 自然と目が覚めた。 船内ではたっぷり8時間程度は睡眠時間を取るのが予定されている。 小生の場合、もともと5時間も睡眠をとれば十分な体質でありそのように生活もしてきたので、いつの間にか目が覚めてしまう。 船内時間5時19分のモニターをみると、速度が9ノットもでている。意外と帆走も早い。
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顔を洗って甲板に出てみると、波は穏やかで空は曇っていた。
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0640 朝別科 点呼と体操 本日は船体傾斜がきついため、体操の実施だけで、椰子の実掃除はない。 4-8当直の実習生は、各マストのロイヤル(一番上の横帆)を展帆する。
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  夜間は安全サイドに鑑み、日没前に減帆して夜間航海を迎える。 夜間に荒天になりロイヤルを畳む事態になると、暗い中ロイヤルまで上がるのは極めてリスキーなため、安全面から前日日没前に予め畳んでおく。 前日夕畳帆・当日朝展帆の方針は、船長自らによる過去の文献研究の結論とのこと。            なお、今日の満帆の帆走は3,000馬力の力があるらしい。 マストに張った帆だけで巨大な海王丸が海を走るのは、実に壮観だ。 よく帆が裂けないものと、感心もする。 1030 登艢訓練二回目 今日はゲルンボード(下から二番目の踊り場)まで登る。 登る前に、まず体操を行い身体の各部をよくほぐす。 登艢は風上側から行うが、準備体操は風下(リー)側で行う。 登る時は引っかからないように身には時計など余分なものを着けず裸足。  ①最初に昨日の登艢の復習をする   トップボード(一番下の踊り場)まで一回登って降りる  ②次に、ゲルンボードまで登る
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 だんだんとマストに登るのが楽しくなってくる
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 ゲルンボードの高さは結構ある
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 二つ目の梯子はより急なのが分かる
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 登艢訓練が終わって、傾斜計で傾きをみると11度
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船内時間11時46分のモニターを見ると、船足は14ノット弱も出ている。 船体傾斜といい、早い速度(風が強い)といい、なかなかの環境で登艢訓練をしたのが分かる。 それにしてもこれだけ速度が出るとは、海王丸は素晴らしい帆船だ。
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1300 課業開始 点呼と体操 1330 専任教官と懇談会 研修生は艦橋にて専任教官より各機器の説明を受け、その後その場所で懇談をもった。
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今回の航海で各自やりたいことは何かが、テーマ。 研修生12名が各々海王丸に乗船した理由と目的は異なるが、船が好きなのは共通している。 海王丸の国内航海を経験しているのは10名いるが、遠洋航海は皆始めてだ。 一番希望が多かったのは、航海中にロイヤル(マストの一番上)に登艢すること。 午後 自主研修 海洋講座もなく、午後は各自自主的に勉強。 小生は船内の図書館で本を一覧し、また甲板で多くの時間を過ごす。 船内の図書館には、船・航海・機関・天体などなど、日本海外の専門書を数多く備えている。 海王丸は実習を伴なった学校であり、一つの運命共同体であり、閉じた社会である。     非日常の生活の中で、下船するまでに多くの事を学んだ。 1500 畳帆 これから風力が発達するのが予想されるため、帆桁を実習生・研修生で動かし早めに実習生がロイヤル(一番上の横帆)とアッパーゲルンスル(二番目の横帆)を畳む
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       本日の航海概要と気象概況について、船長より以下のメッセージがあった。 気象概況 ①本日は予想通り風は南東まで順転し、風力も力強く5~6までになった。今後、関東南岸を西進する低気圧の接近に伴い、風は強くなることが予想される。 ②明日はさらに等圧線が混むため風力は6~7までに発達するおそれがある。 ③明朝、風力が増大すれば増帆はしないが、ヤードの開きはこのまま一杯を続ける。よって、明日もこのような感じで帆走が続く予想。 ④明晩は、この低気圧への影響で、風がSEからNEへ逆転することが予想される。前線のように急激な風向の変化はないが、大きな風向の変化に伴いタックを右から左に替えることになる。 船務関係 ①船体傾斜に関する注意が、本日午後の課業整列前に一等航海士からあった。各部作業や実習はもとより、日常生活においても十分な注意をすること。 ②明晩は、風向きが北に変われば、急激に気温が下がる事が予想される。すでに出航時、体調不良により実習生数名が病欠状態。健康管理に注意怠りなく。 「 人気blogランキング 」  に参加しました。よろしければ押してくださいませ。
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