大阪青山歴史文学博物館で、秋季特別展示「幕末を翔けぬけた人々」を拝見してきた。
ペリー来航から明治維新までの、実に様々な人物ゆかりの史料を展示している。
小生にとって最大の目玉は、油彩「開陽丸」
絵は、開陽丸竣工直後の作と言われ、オランダで活躍した画家、フランスワ・カ-レビュル(1821~1893)の作品。
上の画像は絵全体の一部をポスターから撮影。
メインマストには幕府軍艦旗中黒長旗が翻っているのが分かる。
そして操艦のため、今まさに乗組員がマストに登り、帆桁に渡り、また船首で何をしようとしているのか、想像を逞しくさせてくれる。
幕府は欧米諸国の脅威に対抗し海軍力充実をはかる。
開陽丸は幕府がオランダに発注し、慶応2年(1866)10月に竣工した木造シップ型フリゲートで、補助蒸気機関410馬力、備砲は当時最新鋭のクルップ施条砲18門を含む26門。上の画像で片舷13門が確認できる。
翌慶応3年3月、幕臣のオランダ留学生、榎本釜次郎(武揚)らによって横浜に回航され、幕府関係者の期待を一身に集めた。
慶応4年正月、鳥羽伏見の戦い勃発直後に徳川慶喜が松平容保らを伴い、大坂から江戸への帰還の際に使われる。
同年8月、榎本武揚が新政府運との戦いにおいて指揮を取って北海道に回航し、同年11月江差沖で座礁・沈没した。
まさに幕府の命運を象徴する軍艦であった。
「幕末を翔けぬけた人々」として、展示しているのは主に以下の通り。
黒船来航から戊辰戦争まで、所蔵している主な登場人物の史料を分かり易く展示している。
ペリー提督日本派遣信任状、ペリー提督書簡、
孝明天皇和歌、姉小路公知書簡、和宮親子内親王和歌、有栖川宮和歌、
三條実美等七卿筆跡、岩倉具視和歌、中山忠光漢詩、明治天皇勅書、
徳川家茂書、徳川慶喜書と書簡、徳川斉昭書、松平容保和歌、
勝海舟意見書、横井小楠「国是十二条」、橋本佐内漢詩、梅田雲浜・平野国臣和歌、
山内容堂漢詩、坂本龍馬画像、西郷隆盛画像と書簡、大久保利通漢詩、島津斉彬和歌、
島津久光和歌、井上馨所持硯箱、木戸孝允書簡、伊藤博文書簡、
幕府派遣オランダ留学生写真等など、の原資料が並ぶ。
一見の価値のある秋期特別展であり、展示期日は11月28日(日)まで。
また驚いたのは、博物館が堂々たる城を模していること。
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絵は三吉慎蔵と坂本龍馬です
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