本日は出航して1週間目、ひと区切りの日だが、
残念なことに、朝4-8直の甲板当直者中の2名が受傷した。
航海中の安全第一は船長の念願、だが骨折打撲などの事故は毎航海必ずしもゼロではない。
研修生1名も乗船早々に怪我をした。帰国してから分かったが全治4週間だった。
幸いマスト登りも可能で海王丸の航海を予定変更するほどのことではなかったのは幸いだった。
昨日と同じように本日も、午後に風向変化が予想されウェアリングを行った。
また学友会活動も始まった。
天気 曇り後1130頃霧雨、後曇り
正午時点では、
前日正午からの(直航進路137、距離218マイル、東京からの距離1321、残航3539、平均8.97ノット)、
風向NE、風力6、ヤード(帆桁)左舷開き、
天候雨、気温13.0、海水温度15.0、気圧1023.5、海面状態荒い
船の位置 北緯36度20分、東経162度38分
時刻改正15分(累計1時間48分)
0640 整列点呼
研修生は8-0当直であり、その前に食事を済ませるため、朝別科は免除される。
0740 集合整列点呼
研修生は、荒天対策でロープが張られている中を、雨合羽、長靴を装備し、右舷傾斜している風下側を通って船尾の集合場所へ向かう
0800 当直 8時-12時直の小生の当番は以下の通り
0800-0900 リーサイド
0900-1000 リーサイド待機
1000-1100 リーホイル
1100-1200 リーサイド待機
リーサイドで待機しているのが見える、甲板は時々左舷からの波で洗われる
リーサイド待機の場面
船尾からみる
操舵している場面、本日の事故は舵輪を囲うフード上からの落下だった。この傾斜と雨では滑り易い
1545 ヤードの変更
風が北東から南風へと変わり始めるため、昨日とは逆舷側へのウェアリングを開始した。
朝0530時点は昨日午後とほぼ同じ状況を推移している。
風向北微東(16度)、風力18.9ノット、進路東南、左舷開き、船足7.4ノット
1212 風向北東(47度)、風力17.7ノット、進路南南東、左舷開き、船足6.2ノット
1646 風向東(88度)、風力10.3ノット、進路北西、ウェアリング中
1943 風向南南東(160度)、風力20ノット、進路北東、右舷開き、船足8.2ノット
1900に風も南微東S/Eに変わり針路を060にできた。海王丸は再び右舷開きで南風を受け北東方向へ走り出していた
学友会活動開始
海王丸は船員教育のための実習訓練の学校であるが、学友会活動、いわゆるクラブ活動もある。
実習生全員と研修生は、ウクレレ、歌唱、ヨガ、似顔絵、ロープ組紐、折り紙、散髪、思い出、天体観測、映画、漁労など色々な班があり、どれにでもいくつ入っても良いことになっている。
各班とも初顔合わせをして早速活発な活動を開始した。
ウクレレ班の練習風景
小生の苦手なロープ組紐班
天体観測班
小生は、船尾でのトローリングを主活動とする漁労班にエントリーした。
写真は漁労班の班長と顧問の航海士
但し船足が7ノット以上あると早すぎて魚も食いつかず釣れない。
ひょっとするとタック替えで減速する時しかチャンスがないかもしれない。
船長から、本日の航海概要・気象概況と事故について以下のメッセージがあった。
気象概況
①高→低・・・再び今晩には高気圧勢力下に入る模様。
②注視していたアリューシャン方面で発達する様相の低気圧に対して、見極めがついたので次は北緯38度、東経170度を目指して針路を設定する予定。
③風は南風が2日間ほど安定して吹く(風力階級6~7:強風)と思われる。今までの一杯開きではなく、右舷後方からの風となるので船体傾斜もやや緩和されると期待できる。
④本日21時と明朝9時の比較
・高気圧からの吹き出し(南風)を受ける
・今晩と明朝の本船付近の等圧線を比較すると、等圧線の間隔が混んでくる。
・等圧線が混めば風は強くなる。
・今後しばらくは(予想図のよれば4/15までは大丈夫)、風向きの強さも変わらない状態が続く
・北上をするが、南風なので幾分寒さは和らぐはず。
船務(安全)関係
①本日は甲板当直者中の2名が受傷。朝の4時-8時直の出来事。幸い軽傷で済んだ。これを教訓にさらなる安全運航に努めていく。
②今回の事故を良薬として、まずは自分の身を守るといった観念がベースになる。
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