本日はどんよりした分厚い雲が全天を覆い、時折小雨の降る一日だった。
この天気は高気圧勢力下にあり大きな風の変化や天気の崩れはないと思われる。ただし、高気圧の後面に位置しているため、太陽や青空が覗かない天気になっている。
この天気はしばらく続きそう。
天気 本曇り
前日正午からの(直航進路076、距離160マイル、東京からの距離1508、残航3379、平均8.11ノット)、
風向S、風力6、ヤード(帆桁)右舷開き、
天候本曇り、気温16.8、海水温度15.8、気圧1022.1、海面状態荒い
船の位置 北緯36度59分、東経165度52分
時刻改正12分(累計2時間00分)
0640 朝別科
本日の朝別科は、展帆作業のためロープが甲板上に解かれた状態で置いてあり、海水を流せないので椰子の実掃除は無い。
実際の日時は違うが、ロープをビレーピン(索止栓)から丸ごとそのまま外し、甲板上にそのままに置いてある状態
以下の二つは、芸術品
本日張り出された清水管理データ
4月8日~10日は、使用料が少ない。むしろ少なすぎる。
船酔いでなどで風呂を敬遠し洗濯などが少ないため、水の使用料が多くないと思われる。
一方、4月11日、12日と急激に増えて始めている。風呂やためていた洗濯による思われるが、いずれにしろ節水に留意すること、との注意があった。
出航時の清水保有量は865tであり、サンフランシスコ着時に550tを確保したい。そのため、1日の減りを10tに留める。造水量を10tと見込むと、毎日の消費量目標値は20tとなる。4月12日はこれを超えている。洗濯回数や洗濯時のすすぎ回数を減らしまた、シャワーをこまめに止めるなど、地道に節水をすること。
洗濯場と乾燥室
全自動洗濯機2台と、通常の洗濯機2台がある。通常の洗濯機の方が使い易く、こまめに節水できる。
乾燥室は重い扉をあけると中は広いが、何時も一杯で、干すときに空きを作るのに苦労する。
0830 課業開始
集合整列点呼
0900 海洋講座
専任教官より、航海術の概要について学ぶ。
航海術とは、船舶をある地点から他の地点まで、安全かつ迅速に動かす技術。
航海術の目的は、
①自船の位置を知ること
②2地点間の方向を知り、自船の進むべき航路や進路を定めること
③距離および時間に関連して、自船の速力を知ること
①自船の位置を知る船位測定の方法は時代により、正確になってきた
a.北極星の方位
北極星はほぼ真北にあるので、今どの方向へ行っているのかが分かる
b.北極星の高度(1450年頃)
緯度が分かる(地球は丸い)ことにより、大航海時代が始まる
c.太陽の正中高度(1490年頃)
一番高い高度を測ると緯度が分かる
d.経度の獲得(ハリソンによるクロノメータ制作1736年)
経度は時計がないと分からない
e.位置の線による後方(1945年頃から)
星、太陽の高位
などなど、航海術、灯台表について教えて頂いた。
1200 当直 小生の当番は以下の通り
1200-1300 リーサイド待機
1300-1400 ルックアウト
1400-1500 リーサイド待機
1500-1600 ウェザーホイル
ルックアウトのとき雨が降っていたため艦橋から監視
2000 巡回後、指導員を囲み懇親会があった
指導員の方は2名で、研修生が朝起きてから寝るまでの間、ご指導を頂いた。
教官に対するマナーや船での行儀作法についても、都度ご教示を頂いた。
なにしろ研修生は実習生と比べるとかなり年を取っており社会生活をしてきたこともあり、個性が染みついている。その点、若い実習生は呑み込みが早い。
そういう意味では、気がつかない所でも随分ご迷惑をおかけしたと思います。研修生一同に代わり、この場で改めてお詫び申し上げます。
海王丸名物の日付変更線(東経180度)通過時刻予想懸賞が始まった。
東経165度を超え、現在の11ノット走行が続けば、240マイル/日 X2日で180度付近まで行けそう。
5時46分のモニター
9時55分のモニター
船長より以下のメッセージがあった。
本日の航海概要と気象概況
気象概況
この二日、タック替えを伴う大きな針路変更が続いたが、本日は昨日定めた次の目標地点(北緯38度、東経170度)に向けて、一日針路をセットできた。また、船体傾斜もやや緩和された。あすもこの状態は続く。
①基本的に今晩も明朝も本船付近の気圧配置は変わらない。
②高気圧の後面に位置しているため、南からの風になる。等圧線の間隔は幾分緩んでくるため、今晩は風力6、明日は5は中心になる。
③いずれにしても、この良い風を受けて距離の貯金をしておきたい。
④北上をするが南風なので、幾分寒さは和らぐはず。
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