本日は、甲板磨き、海洋講座受講、全員で甲板でのリフレッシュ運動、ヤード回し、学友会活動、「咸臨丸」の歴史講演と忙しいが楽しい一日だった。
天気 曇り
正午時点では、
前日正午からの(直航進路093、距離239マイル、東京からの距離3351,残航1642、平均10.38ノット)、
風向S/W、風力4、ヤード(帆桁)右舷開き、
天候曇り、気温12.1、海水温度11.8、気圧1028.0、海面状態穏やか
船の位置 北緯39度59分、西経156度05分
時刻改正18分(累計-19時間27分)
0549 モニター、海王丸は順調にサンフランシスコに向かっている。
0640 朝別科 椰子の実での甲板磨き
北太平洋の荒れた天候、強い風を受け傾斜する船体など、甲板掃除が出来る条件は悪く、3日ぶりの椰子の実磨きとなった。航海が始まってからはまだ4回目に過ぎない。
0830 課業始め
0900 海洋講座 「高気圧と低気圧」、
今回の講義も面白い。天気図の見方が少しは出来るようになったと思う。
船長始め航海士など船を安全に動かすため操船指示する立場の人は、天気図を読めねば仕事ができない。
特に帆船は高気圧と低気圧の動きを、週レベルで読みとっていく必要がある。
昔は、気温・海水温度、気圧、風、天候など自然の変化を記録し、その移り変わりで先の天候の変化を読んでいたが、基本は同じ。
今は、気象衛星や、各地点各海域の気象データ・海象データを入手でき、精度も上がり、より時間的に先を読むことができるようになった。
ただ、判断するのは昔も今も人間であり、日頃余りに機械に頼りすぎていると、電源などが喪失したときなどに基本的な判断ができなくなってしまう。
海王丸の訓練は、基本的には、文明の利器がない状態で、船員としての基礎的な能力が具備できるように訓練を行う場でもある。
北半球での高気圧と低気圧の基本的な動き
上昇気流・下降気流と風の動き
主な高気圧
低気圧の発生する条件と雲
温暖前線と雲
1300 総員ヤード回し
トリムヤード(風に合わせて帆を調整すること)ために、全員でヤードを引き入れた。
久々にマストが揺れるほどの力強いブレース引きであった。
その後 運動日課
リフレッシュも兼ね、運動日課を出航後初めて行う。
北太平洋ではなく海が穏やかな海域の場合は、甲板で運動会を催すこともあるらしい。
今回はフォークダンスを全員で踊った。手をつなぐことでも一体感が生まれる。
1400 学友会活動
実際には個々に自由時間などを活用し活動しているのだが、日時を区切って、全員集まっての学友会活動としては2回目。
甲板では運動班?が縄跳び
同じく甲板でヨガ班
これはいつもお世話になっている映画班
1500 学友会活動時間を使って、第2教室で「子孫から見た咸臨丸の歴史」を講演した
船長、専任教官、一等航海士など乗組員20人位と実習生・研修生20人位が参加。
講演内容は
1.咸臨丸について 建造の経緯、仕様と建造場所、船名の命名
2.太平洋横断 海軍創設と人材育成、遣米使節と咸臨丸、往路
3.咸臨丸渡航の意義
4.余談 遣米使節の扱い(日米の違い)、国威発揚への利用、
ブルック大尉の日記の公開、
などだが、1回目の講演内容を幾つか替えて、
①海王丸は船員教育の練習船であるので、現代との比較のため、長崎海軍伝習所での教育内容・訓練に使った練習船の種類
②咸臨丸に乗船した米軍人と日本人との関係の変化(出航時、航海中、下船時)
③咸臨丸で、武士道とシーマンスピリッツが融合した瞬間
④「咸臨」の現代的意味
を付けくわえた。
終わってから、一等航海士より次の講演を頼まれてしまった。
なお、講演の最後に、船長に
①中黒長旗の説明とサンフランシスコ入港時にも掲揚する
②荒天時化の咸臨丸と同じ経験をしたいため、時化の北緯43度位までぜひ北上して欲しい
の2点を要望した。
②については、船長は立場上、常に安全サイドなので、どうなることか・・・・・
本日の船長からのメッセージは以下の通り
今晩は寒冷前線が通過する気配。寒冷前線通過時は突風や雷雨の可能性がある。
また、風向きの急変によるうねりや風浪との兼ね合いで、船体が思わぬ動揺をすることがある。
加えて、夜中にタック替え(風を受ける舷を右から左に移す)をすることもある。
本日の航海概要と気象概況
気象概況
①明朝未明1時に寒冷前線が通過する。通過後は北風に変わるので気温はぐんと下がる
②明日は高気圧の圏内に入りそう。しかし天気の移り変わりは早いので、再び高気圧の後面に位置することになり南風が吹いてくれる。今後は北西にある低気圧が発達しながら北東進するので、等圧線が混み、強風になることが予想される。
③息つく間もなく、今度は本船の至近をめがけて低気圧が進んできそう。ここ数日は目まぐるしく天気が変わる。
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