海王丸航海18日目 2010/04/23(金) 嵐の前の静けさ
本航海で初めてほぼ無風状態になる。
高気圧の中に入ってしまい、夜間から急に風が止まり海王丸は足踏をしている。
今までの快走はどこに行ったのか、うその様。帆船は風がないと無力だ。
天気 晴れ
前日正午からの(直航進路079、距離113マイル、東京からの距離3672,残航1244、平均4.64ノット)、
風向SE/S、風力4、ヤード(帆桁)右舷開き、
天候晴れ、気温9.0、海水温度9.8、気圧1026.6、海面状態穏やか
船の位置 北緯40度30分、西経144度42分
時刻改正6分(累計-19時間03分)
0400 当直 小生の当番は以下の通り
0400-0500 リーサイド
0500-0600 リーサイド待機
0600-0700 計器
0700-0800 リーサイド待機
当直の間、風が殆ど吹かない。出航後、初めてのデッド・カーム(ベタ凪、無風状態)。風がないのは夜中からだが、高気圧の中に入ってしまったのが原因。
帆が全く膨らまない
波も静かで、嵐の前の静けさだ
毎朝4-8当直の仕事。さあ、ロイヤルを展帆するぞ
くくりつけたロープをほどく
ほぼ解き終わった状態
4時48分のモニター、風はまだ僅か4.3ノット、船足は0.2ノット
0700位からそよ風が吹き0900位から風が吹き始める。
ただ風はただまだ本調子ではない。
風が止むと帆船は何もできないことを実感した。
前夜より全く無風状態に近かったため6分の時刻改正しか出来なかった。
午前 自主研修
午後 自主研修
1400 荒天対策を行う。
低気圧が近づいている。今夜~4/25まで荒天の見込み。
13時14分のモニターーを見ると、気圧も下がり始めている。
横帆は、各マストの上から4番目、5番目、アッパートップスル、ロワートップスルを残し全て畳帆する。
絞帆の順番は、船尾のマストから、一本のマストについては、上の帆から先に行う。
畳帆のときは、風上側を先にする。シートを伸ばし、バントライン、クリューラインを引く。マストに登りヤードに渡って帆をヤードにロープでくくりつけていく。
立帆は、 ジガーマストの一番上のガフトップスルを畳帆する。畳帆のためラインを引いている
ヤードへ渡るためマストへ登る
一番上のロイヤルを畳みヤードにくくりつけている
畳んだ帆をヤードに丁寧にくくりつける。一人ではできない
今晩は荒天のため、舵は甲板から艦橋に切り替える。
船長からのメッセージは以下の通り。
本日は00時頃から朝別科までが弱風の時間帯、午前中には風が強くなり、夕刻には強風・時化の兆しが見えてきた。実感するほどに天気の変化は目まぐるしく変わった。
幸い高気圧圏内での滞在時間が少なかったのは良いが、これからはどんどん強風化に入っていく。
船内情報(テレビ)でみると、気圧が滑り落ちるように下降している。
今晩から明日、明後日と気圧傾度の大きい気圧配置化におかれる。
本日の航海概要と気象概況
気象概況
①未明1時には未だ高気圧の後面だが、等圧線の間隔が混んだ海域へと入り込んでいく。
②北西に位置する低気圧が直接本船に接近するのではなく、停滞しつつも周辺海域を低圧部に呑み込んで行く。従って、本船付近の気圧もぐんぐんと下がり、1010hpa程度にまで低下する。本日正午の気圧が1027hpaなので、大凡24時間で17hpaの気圧下降となる。
③風の強さは気圧傾度に支配されので、今後風速は増大し、海面状態は荒れてくる予想。時化は明日昼一杯まで続く予想。
船内生活
①帆走甲板当直では、安全率を掛けたうえで、荒天に備えて教科書通りの対策を実施した。暫くの間はSSデッキへの出入り制限、ごみ処理、船体傾斜で無理をお願いする。
②左舷傾斜が続く。また、うねりが伴った打ち込み海水にも注意が必要。また、船体傾斜にくわえて、うねりによる動揺が加わり、一層の船体傾斜もある。夜間には入浴や御手洗いなどの際、思わぬ傾斜に備えること。
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