本日はヤード渡り、掃除、「ジョン万次郎」の話、展帆・縮帆・展帆、当直、・・・
と忙しい一日だったが、それでも日本きっての難所といわれる来島海峡通過の様子をじっくり眺め、久し振りの夕陽を楽しむ余裕はあった。
来島海峡を渡る頃、メインマストに翻る幕府軍艦旗
天気 晴れ
正午時点で、
前日正午から(航行距離30マイル、大阪からの航行距離119マイル、残航387マイル、
航海時間5時間00分、平均速力6.0ノット)
風向W、風力4.2ノット、
天候晴れ、気温26.2、湿度24.0、海水温度20.0、気圧1004.1、海面状態穏やか
船の位置 北緯34度11分、西経133度11分
清水前日消費量3.7t、トータル消費量11.2t、残有量36.1t
0400 起床
早く目が覚めた。武田邦彦氏「原発大崩壊!」を読む。
5月頃武田氏の講演をインターネットで拝聴したが本も分かり易い。
臨界(原子核爆発)は今となってはありえないので、日本の原発で今一番安全なのは福島第一原発となる。
0615 起床時間
0630 タンツー(デッキ磨き)
0700 抜錨、牛島沖 出航
当初計画では0900塩飽本島出港、1445来島海峡航路中水道に入る予定であったが、潮流の関係で早めに来島海峡を通過することになり出港した。
0730 朝食
0800 備讃瀬戸東航路を当初計画より2時間早く抜ける。
0900 ブリーフィング (塩飽諸島~来島海峡~釣島水道)の航海概要を教わる。
牛島沖を抜錨したあと、広島沖を通り、高見島と佐柳島の間を通過して塩飽諸島を抜ける。
来島海峡は日本有数の難所。
潮流が満ち潮kか引き潮かで、海峡を通過する航路が決められている。真っすぐな航路とカーブする航路があり、潮に乗る時は真っすぐな中水道、潮に逆らって進む時はカーブする西水道を進む。来島海峡を通過する予定の時刻は、引き潮であり、東から西へ潮が流れる時間帯なので、中水道を通る。
今治海上保安部HPより
ヤード渡り
航海中に横帆の解帆、畳帆絞帆の訓練をヤード上で行うため、その事前準備としてヤード渡りの訓練をする。
ヤードを渡り易くするため、フォアマストの全ヤードを右舷開きから真横(スクウェア)にするため全員でヤードを引く(ブレースする)。
今回渡るのは、一番上のトギャラン、その下のトップスルの2つのヤードであるが、渡る人はトギャランは右舷2人、左舷2人、トップスルは右舷4人、左舷4人の計12人。
一番おいしい所はトギャランヤードの両端。早い者順なので右舷端を小生、左舷端に咸臨丸子孫の会郡家氏、トップスル右舷マスト側に小林会長が渡った。
ヤードの端に渡ると両足とお腹で3点支持をし身体のバランスをとり安定させる。
ヤードの端は足を置くロープが独立しているため隣の人の動きの影響を受けないが、なんとなくロープの弛みが少なく、足を大きく開いてロープを後ろに蹴っても、お腹を支えるヤードの位置がお腹の下の方に来て、バランスが良くない感じを受けた。
展帆
メインスルの畳んである帆を解き(ルーズガスケット)、全員で展帆する。
船首のインナージブも同じく全員で展帆した。
1130 昼食
1300 縮帆
元々来島海峡を通過する時は安全のため縮帆の計画であるが、この頃4~5ノットの西風で進路からすると向かい風になる。
メインスルとインナージブを縮帆したあと、ハッピーアワーがあり船内の掃除をする。
1400 来島海峡航路中水道に入る
左が西水道、真ん中の狭いのが中水道、右は航路ではない
来島海峡を通過する時、大橋の上からUW(ご安航を祈る)の小さい信号旗を振っている方がいた。
見ず知らずの方だが海の仲間はいいものだ。
その時の大橋からみたあこがれ
中水道を通って大橋を潜り通過する
西水道に、行違った船舶が進んで行くのが見える
1430 「ジョン万次郎」の話(~1500)
今回四国一周の航海では、途中、塩飽諸島と土佐清水に寄港するのを目玉としている。
土佐清水はジョン万次郎の生まれ故郷であり、寄港前に予備知識を共有しておいた方がよいとの判断から、30分間限定で話しをする機会を作って頂いた。
ジョン万次郎の生涯と、土佐沖も通ることから、万次郎の龍馬への影響について簡単な話しをさせていただいた。
1445 来島海峡航路を抜ける。
1500 展帆
来島海峡中航路を抜けたため、直ちにメインスルとインナージブの展帆をする。
敢えて確認していないが、ジョン万次郎の話はスケジュール的には無理に割り込んだため、展帆の時間が遅れたのではないかと思われる。
1530 当直説明
船は大航海時代も幕末も現在も4時間ごとの当直体制で通常は24時間動かしている。
訓練生も航海当直を体験するため、以下の当直内容の説明を受けた。
①舵取り、②ポジション(船の位置を海図に記入)、気象(緯度経度、風向風力、乾湿度、海水温度、気圧、航海距離などの確認記入)、④タイムベル、⑤見張り
1630 夕食
1645 釣島水道に入る
この頃、海上に大きな潮が湧いている場所に出くわした
1800 当直開始
訓練生14人は、乗船時に1班4~5名の3班に分かれたが、そのまま航海当直(ワッチ)のグループとし、1800~2400まで、2時間ごとに当直することになった。
小生のグループは、1800-2000で一人舵取り15分を2回、気象の全項目を一度体験することにした。
本日は夕陽がとてもきれいで、当直の間の小休止の間に、伊予灘の島影に沈む夕陽に思わず見とれること暫しであった。
2200 消灯
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