本日は、3時間ほど待望の太平洋での帆走を体験。
15マイルを帆走航海して足摺岬沖に至り、タック替えを行い、その後、機走して土佐清水港に入港した。
天気 曇りのち雨
正午時点で、
前日正午から(航行距離:帆走10マイル/機走147マイル、大阪からの航行距離276マイル、残航230マイル、
航海時間:帆走2時間30分/機走21時間30分、平均速度:帆走4.00ノット/機走6.84ノット)
風向SW、風力5.2ノット、
天候雨、気温27.0、湿度25.5、海水温度24.0、気圧1004.2、海面状態荒い
船の位置:北緯32度40分、西経132度54分
清水消費量:前日4.0t、トータル15.2t、残有量32.1t
大分県佐賀関と愛媛県三崎の間にある豊予海峡の速吸瀬戸(はやすいのせと)は寝ている間に、満ち潮から引き潮に変り始めてしばらく経過した0時頃通過したらしい。
寝ている間に帆走航海の期待できる太平洋に出ていたことになる。
速吸瀬戸は九州と四国の最狭の場所で、近場は関アジ,関サバの漁場として有名だが、狭い海峡に集中する流れのため潮流がかなり速く、最大で約6ノット(3m/s)といわれる。
0530 起床
昨日までの静かな瀬戸内での航海と違い船体が動揺している。ただ太平洋に出たことは実感できるが、期待したほど海のうねりは大きくはない。
0615 起床時間
0630 タンツー(デッキ磨き)
0730 朝食
0900 ブリーフィング
速吸瀬戸~土佐清水港までの航海概要と天候について、また気帆走から帆走へ移行するため増帆し、太平洋での帆走を開始するとの話。
帆走開始
昨日よりインナージブとメインスルを展帆し機帆走で航海していたが、アウタージブとトップスルも初めて展帆しいよいよ帆走を開始した。
帆走を開始したのは沖の島を越えたあたりで、足摺岬までは15マイルほど。
南西の風を受け東方向に航海するため、ジブとメインスルは右舷開き、トップスルも2ポイント(約22.5度)右舷開きにして帆走する。
メインデッキ後部にある舵取り場所(ヘルム)で、訓練生は班ごとに舵取りの方法を学び、練習として一人15分ほど舵を取った。
あこがれの舵取りは、右舷からの風を受け右舷側に切り上がる場合、左舷側に数度の当て舵を切って、決められたコースを維持するように操舵する。
上は舵の表示器、下は360度コース表示器
ポジションの記入方法を教わる
当直時に15分ごとに行う船の現在位置(ポジション)を海図に記入する方法を教わる。
写真は大阪湾出発時の海図
二つの三角定規を用いて定刻の船の位置としてGPS表示の緯度と経度の交点を海図上に記入する。実際の船の位置と航海計画コースとがずれていた場合、記入した位置とを比べてずれを調整するため変更コースを決めることができる。
コース変更を決断した場合、艦橋からヘルムへ電話で新たなコースを指示する。
また海図に記入した直近の複数の15分単位の航海距離を測ることで、目的地までのおおよその到達時間などを知ることもできる。
コースを維持し航海距離を明確にするために船にとっては極めて重要な作業の一つ。
1130 昼食
シーツ替え
あこがれでも航海の中程で、ボンクの枕、敷き毛布、かけ毛布のシーツを新しいものと取り換える。
海王丸航海30日でも同じ様に航海日程の真ん中15日目に取り換えたが、使用日数ではなく、航海日数の真ん中での取り換えに、何らかの意味があるかのようだ。
1230 タック替え=ジャイブ
足摺岬が見える海域まで来たところで土佐清水港の方向へ針路を東から北西方向に変針する。
この時は4~5ノットの南西の風が吹いていたが、針路を変え風を受ける向きを変えるため下手回しでタック替え(ジャイブ)を行った。
まず舵を左舷ポート側に切り、船を東方向から風下の北東に向ける。
トップスルを、右舷の風を受けて帆走する状態の右舷開き(スターボードタック)から真横(スクウェア)にするためヤードを引き回す。
メインスルのブームを真ん中に持ってくる。
舵か効いて風が左舷側から受けるように変わったところで、ジブを右舷開きから左舷開き(ポートタック)に変える。この時左舷からの強い風を利用し両側のシートだけでタック替えを行う。
左舷ポート側のシートを緩め、右舷スターボード側のシートを引き込むことで、左舷ポートタックになる。
トップスルを左舷開きにするためヤードを引きまわし、同じくメインスルも左舷開きにする。
実際は、訓練生皆で指示通りに夢中で作業したので正確には覚えていないが、以上のような作業経過だったのではないだろうか。
この時は、低気圧が近づき雨が降る中、雨ガッパを着ての作業であった。
1300 畳帆
タック替えの実習も終わり、土佐清水港に機走で入港するため、帆をすべて畳む。
全員でロープを引いて縮帆したあと、あこがれは機走に移った。
この時、低気圧の影響か若干時化模様であり、トップスルの絞帆はなれない訓練生には危険なので、クルー、ボランティアスタッフの皆さんだけでマストに登り行った。
写真はメインスルの絞帆(タイザガスケット)
その際、マスト上はかなり揺れており、あるスタッフは降りる途中でマストへの梯子シュラウド上に吐いてしまったが、この逸話はおそらく10年間は語り継がれに違いない。
1425 土佐清水港に着岸
港の直ぐ隣りに、ジョン万次郎資料館はあった
着いてすぐハッピーアワー(船内掃除)
1530 セイルレクチャー
ジブの構造と、展帆・畳帆の方法を教わる。
1630 夕食
1900 今日の作業復習
午後は、雨の中、タックを替え、何種類もの帆を畳帆した。
船長より、本日の帆走航海、タック替えについて詳細な説明が行われた。
残念ながら、タック替えの方法について帆船での下手回しのウェアリングとジャイビングの違いについて今一つ違いが明確には分からなかった。
2200 消灯
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