初めての夜当直。
明るい所から暗闇に急に出ると全く何も見えない。この状態では甲板は歩けない。
明るい船内から暗闇の甲板に出るときは、出る前から片目をつぶっておくとよい。だんだんと、真っ暗-->ぼーとした暗闇-->薄くぼんやり見える-->両目とも薄ぼんやりと見え始めてくる。
写真は当日のではないが、イメージは似ている。夜航海なので灯火は、マスト灯、左舷灯、右舷灯、船尾灯しか点いていないので甲板は真っ暗。
天気 曇り 雲を透して太陽が見える、曇りでも雲は薄い
前日正午からの(直航進路089、距離245マイル、東京からの距離2015,残航28992、平均10.27ノット)、
風向SSW、風力5、ヤード(帆桁)右舷開き、
天候曇り、気温15.6、海水温度13.9、気圧1028.5、海面状態穏やか
船の位置 北緯38度03分、東経176度19分
時刻改正21分(累計2時間42分)
0640 朝別科 久しぶりに椰子の実で甲板磨き
安全航海のため夕方縮帆、朝方展帆を実施している。朝方展帆が遅れるとロープ作業とぶつかるため、甲板磨きはない。
0830 課業始め
0900 無線の研修
無線室が後部甲板の船首側にある。その中で、無線について、その歴史、現在の通信システム、無線設備と船位通報制度をご教授頂いた。
海王丸と陸との連絡方法、海上の気象および海象データの送受信方法については、新聞のFAX受信、日本国内との電話、当直で調査した気温、水温、気圧、風、波などの気象データの送信、などなど現に船に乗っているので具体的に理解することができる。
1000 出航後初めて留守宅にTEL。
衛星電話だが音質は鮮明で国内と変わらない。
我が家にトイプードルが二匹いるが、若い方が昨夜喀血し、蒲団が真っ赤になったとのこと。毎夜一緒に寝ているため小生不在によるストレスからの喀血らしい。
もう一匹も癌が発症しているので最悪帰国時には二匹ともこの世にいないかもしれない、と覚悟する。
TEL代は11分32秒、約2,300円也
1300 防火訓練 船橋・船内で防火訓練を行った。
2000 当直 初めての夜当直。小生の当番は以下の通り
2000-2100 リーサイド待機
2100-2200 リーホイル
2200-2300 リーサイド待機
2300-2400 リーサイド
リーサイドの最終報告内容を記録のため記す
2345 風向:SSW、 風力:5の20ノット
天候:C、 気圧:1026.8hpa
乾球:14.9 湿球:14.0、 海水温度:13.3
以上を暗闇であるからメモは見えない、記憶して報告する。
日付変更線通過予想
①4/14 0546 東経164度34分
②4/15 0558 東経169度56分
③4/16 0547 東経174度57分(本日)
②-① =5度22分
③-② =5度01分
180度-③ =5度03分
であり、通過予想日時は、4/17 5時前後であるのは間違いないと確信した。
船長より以下のメッセージがあった。
いよいよ明朝には日付変更線が通過できる見通し。
本日はさわやかな日差しを浴びることができた。明日は前線が近づきそうなので、午前中を中心に雲に覆われ、小雨・霧雨に見まわれる恐れもある。
しかしながら西方からの高気圧に吸収されるので、徐々に天候は回復するはず。
本日の航海概要と気象概況
気象概況
①今晩は前線位置から離れているが、明朝は前線が接近してくる。同時に西から高気圧が接近して、高気圧と高気圧の谷間(弱い気圧の谷)に入る。風は弱まり、すっきりしない天気になる見通し。
航海概要
①日付変更線通過後は、高気圧の中心から離れるために北上する。ただし、次の低気圧に接近しすぎないよう、ある程度に達したならば、再びタックを替えて南東進の予定。
②次の低気圧は本船に直接の影響を与える様相で、再接近は4/20となる見込み。低気圧の備えについては、明日触れるとして、少なからずも20日の荒天準備を各部各位で進めておくこと。
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