海王丸航海20日目 2010/04/25(日) 最大傾斜35度 帆が破ける
昨晩からの荒天で船体傾斜は最大35度になり、メインマストの帆も一部が裂けた。
咸臨丸難航図の状態に一歩近づいたようだ。
荒天対策のため、縮帆している。横帆はマスト6枚のうち、上から4番目、5番目のみ展帆。
天気 雨、荒天
正午時点で、
前日正午からの(直航進路099、距離228マイル、東京からの距離4115、残航864、平均8.08ノット)、
風向SW、風力5、ヤード(帆桁)右舷開き、
天候雨、気温11.0、海水温度11.0、気圧1003.0、海面状態荒い
船の位置 北緯40度23分、西経140度18分
時刻改正21分(累計-18時間21分)
0605 6時5分のモニターをみると、
風速25ノット、波高5m、船速7ノット、気圧は1002ヘクトパスカル。傾斜35度は幾分緩和しつつあるが、横風を受け傾斜はまだまだきつい。
0640 朝別科、第一教室に集合
「南風は弱まりつつあるが、低気圧の西風による波が今後強まり、大きなローリングが生じると予想される」との説明がある。
本日は、研修生は8-0当直が予定されていたが、中止となった。
0830 課業開始
自主研修
甲板に出て、状況を確認してみる。
風下(左舷)より船首方向、ときどき波が甲板を洗う
船尾方向、波はまだ高い
メインマストのアッパートップスルにメインのステーセルが食い込み、帆が一部破れている。
船尾側からみる
拡大してみる
実習生たちが先ず十分運動をして身体をほぐして
ほっておくと破れが進み危ないので、雨の中、畳み始めた
1300 課業開始
歌の練習を見学する
サンフランシスコでイベント(総領事レセプションなど)に招待され訪問した際に、実習生がお返しに披露する歌を二曲、三等航海士の指導で練習していた。
①新海王丸船歌 「はてなき空に」
②「sailing sailing」 これは勇ましい歌
「はてなき空に」はなかなかよくできた歌で、海王丸二世の一等機関士だった吉川進氏の作詞作曲とのこと。
1330 留守宅に予定通り10日ぶりに電話で連絡を取る。
①犬は二匹とも元気。10日前に血を吐いた方も生きていた!!!
小生不在によるストレスで急性胃潰瘍になったらしい。少し衰弱しているがご飯は食べている。
帰国まで二匹とも元気でいてくれそうだ。
②戊辰戦争研究会が解散した
新たに別組織を4月中に立ち上げる(現在10名ほど集まっている)とのことで、星亮一氏より誘いの来翰あり。何故解散に至ったのか、返事は帰国して良く調べてからにするが、参加しないつもり。
船長からは以下のメッセージがあった。
一昨日から続いた荒天航海、未明の前線通過をピークに徐々に回復した。
船体傾斜および動揺の中、船内生活は結構大変だった。
帆走艤装ではメインのアッパートップスルを破損(破れる程度)したが、全体的に大きなダメージなくやり過ごせた。
本日の航海概要と気象概況
<気象概況>
①未明にかけて通過した前線は、本船の東海域へ抜けた。
しかしながら、南の高気圧と北の低気圧にサンドイッチされ、等圧線が横に混んだ状況。つまり、西風がある程度の強さで吹き続けることが予想される。
②朝も昼も気圧配置に大きな変化はみられない。しかしながら、徐々に南に位置する高気圧が東進すると共に風も強くなる傾向。
③ただし、この北緯40度付近は今後も時化る様相(うねりが残る)を呈してくるので、本船は今晩一杯南下をして荒天海域を外すこととする。
④しかしながら、うねりはすぐには解消されないので、引き続き船体傾斜・動揺が予想される。
船内生活
①昨晩は最大傾斜を約35度経験した。寝ていても力が入りゆっくりとは眠れなかった。今晩は昨晩に比べると随分改善されるはず。
②ただし、うねりは右横から、徐々に後方へ回ってくる。船体は一定傾斜というよりもローリングの影響を受けやすくなる。引き続き思わぬ動揺に注意。
<航海概要>
①本日午後に西経140度を航過した。予定よりも4・5日早くでの通過。
本日正午から直航での残航が864マイル、これは国内コースの那覇~四日市に匹敵する距離。
北米大陸はもうすぐ。
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