龍馬暗殺時に遺された拳銃

当時でも入手可能な拳銃の種類は多いが、 龍馬が寺田屋で使用した拳銃は、弾を込める場面などから、スミス&ウェッソンの拳銃に絞られる。 幕末日本で入手できそうなS&W拳銃の各々の特徴と画像は以下の通り。

①S&W モデル1、 1857年に開発 シングルアクション式リボルバー拳銃。S&W社の第一号。 口径:22(0.22インチ、約5.56㎜) 装弾:7発 全長:17. 1㎝(銃身長:8.1cm)00.jpg ②S&W モデル2 アーミー、 1861年に開発、 口径:32(0.32インチ、約8.1㎜) 装弾:6発 全長:27. 4cm(銃身長:15,2cm)02.jpg ③S&W モデル1 1/2 ファースト・イッシュー、 モデル1を改良、1865年から製造開始。 口径:32(0.32インチ、約8.1㎜) 装弾:5発 全長:22cm03.jpg 龍馬が高杉晋作から贈られ寺田屋で使用した拳銃は六連発なので、以上の条件から、②S&W モデル2 アーミーと確認できる。 詳細は以下の記事を参照されたし

〇龍馬が使用したピストル

 https://masai03.hatenablog.com/entry/201205article_1.html

〇晋作が上海で購入したピスル  

 https://masai03.hatenablog.com/entry/201205article_2.html

ところで、 ①②③の各モデルの外見上の大きな違いは、回転するシリンダー(弾倉)を銃本体に固定するシリンダーストップの位置に違いがある。 シリンダーの外側には弾の位置に合わせて溝が彫ってあり、たとえば、6連発は六つ、7連発は七つの溝がある。 撃鉄を起こしシリンダーを回転させるときに、シリンダーを銃本体に固定させるために、溝に合致する部品(シリンダーストップ)を必要とする。 ①と②はシリンダーの上の銃本体の上(撃鉄の直前)に見えるが、③はシリンダー上の銃本体の下部に内蔵されていて外部からは見えない。 そこで、龍馬が暗殺された時の遺品の拳銃を見てみよう。100.jpg110.jpg 遺品の拳銃には、シリンダーストップがシリンダーの上の銃本体(撃鉄の前)にはないのが分かる。 従って、暗殺時に龍馬が所持していた銃は、①②ではなく、③S&W モデル1 1/2 ファースト・イッシュー、と結論することができる。

 

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絵は三吉慎蔵と坂本龍馬です

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