海王丸航海14日目 2010/04/19(月) 初めての快晴
本日は、本航海で初めての快晴となった。
荒天対策の船橋操艦から通常操艦に戻し、フルセールで快走した。
昼食後、船首で寝ころび陽を浴びる。
天気 曇り時々晴れ、のち快晴 夕方曇り
前日正午からの(直航進路087、距離123マイル、東京からの距離2844,残航2118、平均8.44ノット)、
風向SW/S、風力6、ヤード(帆桁)右舷開き、
天候晴れ、気温12.8、海水温度11.5、気圧1018.1、海面状態荒い
船の位置 北緯40度19分、西経166度47分
時刻改正18分(累計-20時間09分)
0830 課業始め
自主研修 実習生用講演資料の作成
1230 昼食後、船首にて
今航海で初めての快晴
荒天明けのためライフラインの安全ロープはまだ張ったままだが、日差しがある
食堂に、清水管理の最新グラフが張り出されていた。
4/11,12,13が使用量が予定を越えているが、4/14から節水の努力がみられる。
予定の保有量ラインは回復しており、このまま推移すれば、サンフランシスコに着くときは、水が十分に残るはず。
1300 大掃除
毎日1945から、当直以外は当番を決め居室、通路、階段、食堂、トイレ、風呂場など掃除しているが、今航海では本日と下船前の2回、大掃除をする予定になっている。
居室
廊下
階段
缶類は別に集める
分別し法的に認められているものは海洋投棄する
航海中のごみ処理は、厳しい決まりがある。ある海域を越えると捨ててよいものが決まっている。
食事の後は、食べ残し、汁け類、紙、紅茶のティーパックなどは各々明確に分別する。
1945からの夕別科(掃除)では、通常のゴミと、ビニール、カン、ビンなどは分別し集める。
缶類は完全に潰し、指示がある場合を除き海中投棄する。
荒天時および日没後は船内保管する。
紙類・ビニール類については船内指定場所に集積し、処理は一等航海士と甲板部が行う。
入港まで船内保管なので、カップラーメン類の食物くずの付着したビニール類のゴミは、可能な限り海水で洗い乾燥して破棄する。
1530 自由学習
実習生用講演資料の作成
船長より以下のメッセージがあった。
昨日は種々の荒天対策をした。
なんらダメージを受けずにやり過ごすことができた。また相当な荒天への対策を理解することができた。「備えあれば憂いなし」の如く、今晩も早めの手段を講じる。
本日の航海概要と気象概況
気象概況
①今晩は昨晩と同様に、等圧線が横に並んでいるので、南西の安定した風(風力階級5)が貰える。
②しかしながら前線通過後は順転、西成分が強くなる。前線通過後は高気圧の勢力下に入る模様。なんとか、等圧線が混んでいる場にまで進んでおきたいところ。
③明日、本船の西方海上で低気圧が発生し北東進する。この避航を兼ねて、少し遠回りになるが南下する。
④明日は風が弱まるエリヤか、このまま吹き続ける海域か、微妙なところだが、いずれにせよ明後日には次の低気圧の影響で強くなるところがある。
日付変更線無事通過の祝電が、海技教育財団理事長より海王丸に届いた。
今航海の意味、実習生への期待などが縷々述べられている。
以下参考のため、紹介する。
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平成22年4月19日
海王丸船長
乾 真 殿
財団法人海技教育財団
理事長 宇多 一二
4月17日3時57分38秒(日本時間4月17日1時15分38秒)、日付変更線の無事通過、誠におめでとうございます。
この報に接し、去る7日、小雨煙る東京港を92名の実習生、12名の研修生、66名の乗組員を乗せて出航した海王丸の雄姿が目に浮かびます。150年前の日本人が咸臨丸を操って成し遂げた無寄港太平洋横断という、当時どの国の人間も試みていなかった偉業を、このたびの航海では、船長以下次世代の我が国海運を担う若き実習生らの手によって、往時の航跡をたどろうとするロマンに満ちた試みがなされようとしています。研修生の中には咸臨丸乗組員の子孫の方もおり、研修生一同大いなる期待をもって参加しております。
咸臨丸のような小さな帆船で、時化で荒れ狂う大海原に立ち向かって、自然の力だけを頼りに太平洋を横断できたのは、何よりも欧米列強に屈しない新しい日本の国づくりを目指す若者たちの情熱と誇りがバックボーンにあったものと推察されます。シーマンスピリッツが誕生したときといえるでしょう。
現代の若き実習生たちはまさにそのスピリッツを海王丸船長以下乗組員の皆さんから教わろうとしています。訓練航海が終わるころには必ずやリーダーシップやシーマンシップを身に付けていることでしょう。
どうか、船長指揮の下、教官・乗組員、実習生、研修生の皆さんが一致協力し、実習・研修航海が所期の目的を首尾よく達成され、実り多いものになりますよう心から祈念しています。
研修生12名も全員元気とのことで何よりです。サンフランシスコ港まで、これからも研修生及び指導員を引き続きよろしくお願い申し上げます。
最後に、重ねて皆様のご健康と海王丸のご安航をお祈り申し上げ、お祝いのメッセージといたします。
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海王丸 研修生・指導員 ご一同様
財団法人海技教育財団
理事長 宇多 一二
皆様、全員お元気に日付変更線を通過されましたことおめでとうございます。
日本を出て西経域に至るまでの1,555マイルの帆走はいかがでしたか。
出航後3日目には総帆展帆で船速14ノットを出すという快走を体験されたとの由、研修生・指導員の皆さんたちは大型帆船の醍醐味を満喫されたことと思います。
引き続き、サンフランシスコ港まで全員で力を合わせ、遠洋航海研修を全うされ、元気に下船されますよう、そして、無事の帰国を心からお祈り申し上げます。
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