庄内日報によると、20回を節目に終了するらしい。
鶴岡出身の作家・藤沢周平をしのぶ会「寒梅忌」が1月27日(日)、鶴岡市中央公民館市民ホールで開かれる。鶴岡藤沢周平文学愛好会(萬年慶一代表)が一般公開の顕彰事業として、藤沢さんの命日(1月26日)の直近の日曜日に開催してきたが、今回の20回の節目を最後に終了する。
20回寒梅忌は、
第1部として同愛好会メンバーが「寒梅忌20年の歩み」と題して対談を行う。
第2部は元NHKエグゼクティブアナウンサーで京都造形大教授の松平定知氏が、藤沢作品「蝉しぐれ」最終章を朗読するなど記念講演を行う。松平さんは16回寒梅忌でも講師を務めた。
当日は同会場談話室で寒梅忌に関わる絵画や切り絵、写真などの作品を展示する「絆展」も開催する。
ただ、同愛好会によると、「厳冬期に開催してきたが、来年度から季節のよい時期に新生『藤沢周平をしのぶ会』を立ち上げ、会員の交流を図っていく」とのこと。ぜひ、続けてほしいものだ。
藤沢さんの人気が急激に高まってきたのは、むろんその作品が優れているせいであるが、それに加えてTVや映画の影響もあるだろう。これまで多くの作品が取り上げられてきた。
僕が好きな作品に『たそがれ清兵衛』がある。
藤沢さんの愛する鶴岡が舞台だが、山田洋次監督により映画化された。
鶴岡市の郊外を日本海へと流れる赤川を、農民の死骸が漂い流れるシーンがその中にある。水泳に熟達した人がその役を演じるのだが、山田監督は「死骸は実によくやってくれました」という講演のひとくだりに、聴衆一同思わず噴き出したことがある。
しかし最も喜んでほしい藤沢さんはもはやそのことを知らない。
作品群に登場する海坂藩は架空の藩だが、そもそも庄内藩を指しているらしい。
庄内藩ではもともと沈着で思慮深いことを意味する「沈潜の風」が重んじられてきた。庄内のこの気風は、今でも鶴岡では実感できるという。
未訪の地だが、一度訪れたいと思った次第。
なお、「たそがれ清兵衛」の「たそがれ」は、「夕刻」を表す大和言葉。
語源は、薄暗くて人の顔が見分けにくいので、「お前は誰か」という意味の「誰れ彼は(たそかれは)」。
昔の人は、向こうから来る人が誰かわからない心象を、そのまま時を表す言葉にした。
この言葉のセンスは世界にも類がないと思う。
参考:高橋こうじ『日本の大和言葉を美しく話す』
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